出産が近づくにつれ、育児休業(育休)を取るべきかと悩んでいるパパママは多いのではないでしょうか?
日本では、女性の育児休業取得率は8割を超えていますが、男性は未だ1割強にとどまり、かつ取得者の半数以上が2週間未満という低水準です。まだまだパパの育児休業は世間では広まっておらず、男性は育児休業を取得しづらい状況ですよね。
この記事では、育児休業の制度概要と、男性の育児休業取得のメリット・デメリットを解説します。実際に私自信も、2人目の出産後に約9か月の育児休業を取得していますので、自信を持って男性の育児休業をおすすめします!
最後まで読んでいただければ、今迷っている方は、間違いなく育児休業を取得したいと思える筈です!
育児休業取得を円滑に進める為には、職場の協力が必要なので、出産予定日の半年以上前には上司と相談を始めることをおすすめします。
まずは夫婦で話し合い、育児休業の制度を正しく理解した上で、いつからいつまで取得するかを決めましょう。
1. 育児休業の制度概要
ここでは、育児休業の制度の概要について解説します。
1. 育児休業とは?
育児休業とは、厚生労働省によって『育児・介護休業法』に定められている、育児のために仕事を休むことが出来る労働者の権利です。幼い子供を持つ家庭が、休みを取りながら仕事を続けていけるように、法律で定められています。概要は以下の通りです。
- 子供が1歳になる日の前日まで、男女の労働者が休める制度。
- 休業の期間は原則1年間。但し、保育園待機等の特別な条件で最長2年まで延長可能。
- 休業中は育児休業給付金という手当を受け取ることが出来る。
- 休業の申請は会社に行う。
育児休業制度の詳細は、以下の厚生労働省の各HPを参照ください。
2. 育児休暇との違い
育児休業とよく似た名前で、『育児休暇』というものがあります。育児休暇(または育児目的休暇)は、企業に対して課されている努力義務であり、企業が独自に設ける制度です。休暇の取得可能時期や期間・支給有無などのルールは企業ごとに異なり、名称も様々です。
3. 育児休業中の収入
育児休業の休業期間中には、会社からの給与の代わりに、雇用保険から育児休業給付金(通称:育休手当)を受け取ることができます。夫婦で育児休業を取得する場合は、二人とも育児休業給付金を受け取ることが出来ます。
育児休業給付金の計算式
育児休業給付金は、以下の計算式で算出されます。
- 180日まで:賃金月額(※)×67%
- 180日以降:賃金月額(※)×50%
(※)休業前の給与の額面合計。ボーナスは含まない。
社会保険料・所得税が免除
育児休業中は、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)、所得税が免除されます。この免除を踏まえると、育休中の収入は、通常時の給与の手取りと比較して、180日までは約80%、180日以降は約55%となります。ただし、給付金には上限があるので注意が必要です。詳しくは以下を参照ください。
2. 男性育休のメリット
ここでは、男性が育児休業を取得することのメリットを解説します。
1. 子供と一緒に過ごせる
これが最大のメリットですが、パパが子供や家族と一緒に過ごせる時間が圧倒的に増えます。子供の成長はあっという間なので、小さい頃の貴重な時間をゆっくり過ごせることは、本当に幸せです。添い寝したり、触れ合ったりしているだけで、何物にも代えられない幸せを感じることができますよ!
2. 夫婦関係が良好になる
家事・育児は想像以上に大変です。子供が1人増えるだけで、家事・育児の労力は何倍にも膨れ上がります。さらに、出産を終えた後の女性は心身ともに不調が続く傾向にあるため、そんな状態のママに家事も育児も全て任せてしまうと、仕事しかしないパパへの不満は爆発してしまいます。これが原因で、気づかないうちに夫婦関係が急激に悪化したという話は本当によく耳にします。
パパとしては、この大変な時期に、しっかりと時間を確保して、家事・育児に積極的に参加すべきです。慣れない家事・育児をして、役立たずだと思われることがあるかもしれませんが、めげずに頑張りましょう。なるべくママがやりたがらないことを積極的にやっていきましょう。そうすれば、ママの精神的・肉体的な負荷が減り、良好な夫婦関係を保つことが出来ますよ!
育児休業が終わってからも、家事・育児への積極的な参加は継続しましょう。
3. 夫婦で子育て環境作り
子供が1人増えると、生活面の様々な変化があります。住居の購入や引越しが必要な場合もありますし、各種保険や子供の教育など、将来を見据えて様々なことを考えなければなりません。また、日々安心・安全に子育てをするためには様々な準備が必要です。パパが育児休業を取得して時間を確保できれば、夫婦でゆっくり相談しながら子育て環境を準備できますよ!
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4. 視野が広がる
長期間の休業をとって、真剣に子育てと向き合うことで、『衣食住』や『生きる』ことに対する様々な気づきがあります。また、仕事中は自由に動けない平日の昼間に子供と外出すると、普段見ることのない世界に触れることができます。実際に私も、仕事に没頭していた頃に比べると、明らかに自分自身の視野が広がったと感じます。
3. 男性育休のデメリット
ここでは、男性が育児休業を取得することのデメリットを解説します。
1. 収入が減る
会社からの給与がなくなり、育児休業給付金を受け取ることになるので、収入は減ります。ただし、社会保険料が免除されますし、ボーナスも含めてタイミングをうまく調整出来れば、場合によっては通常時よりも手取りが多くなることもあります。
加えて、育児休業中であれば、多少の時間の余裕があるので、節約をしたり、副収入を得るなどの工夫をすれば、十分収入減を賄うことができます。
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但し、手取りのお金が変わらなくなっても、会社からの収入は減るため、与信枠が小さくなる可能性が高いです。このタイミングで高額のローン(住宅ローンや不動産投資ローン)を組む予定がある人は、注意が必要です。
2. 仕事・キャリアへの不安と影響
国が男性育休取得を推進し、2022年からは企業に取得推進が義務化されました。しかし、職場に依ってはまだ、男性が育児休業を取得することによってマイナスイメージを持たれることは、ゼロではありません。そういった職場では、仕事やキャリアへの影響も少なからずあるでしょう。
しかし現在の日本では、終身雇用は既に崩壊し、転職も当たり前の時代ですので、今の会社に固執せず、自分のやりたいようにやれば良いのではないでしょうか。育児休業を取得するメリットを考えれば、仕事やキャリアへの影響はちっぽけなものです。
私は上場企業の管理職ですが、2人目が年子で産まれた時に、約9か月間の育児休業を取得しました。会社で同じぐらいの期間、男性が育児休業を取得した前例は殆どありません。仕事への影響の不安も多少はありました。しかし、悩んだ時は『人生100年』で考え、今は仕事よりも家族を優先することが大事だと判断し、育児休業取得に踏み切りました。
結果として、家族の喜ぶ顔もたくさん見れましたし、何よりも自分が幸せを感じられているので、育児休業を取得して本当に良かったと心の底から思っています。
4. 育児休業を取得するための手順
育児休業を取得するための大まかな手順は以下です。
- 上司と相談(出産予定日の約6か月前を推奨)
- 会社に育児休業取得を申請(以降の手続きは会社に従う)
- 業務の引継ぎ
- 育児休業開始
最も重要なのは、上司との相談の時期です。上司に業務アサインや組織の体制変更を計画的に行ってもらうためにも、可能な限り早く伝えましょう。育児休業を取得するタイミングにも依りますが、出産時期はズレる可能性が高いので、出産の安定期(妊娠16週ごろ)になったらすぐに伝えるのが良いと思います。
次に重要なのが、業務の引き継ぎです。育児休業を取得すると、長期で業務を離れることになるので、自分が持っている仕事・課題・情報を他の人に引き継ぐ必要があります。自分の仕事を洗い出して、タスクや課題を見える化し、引継ぎ先の人を決めて計画を作り、一つずつ丁寧に進めていきましょう。何よりも、残された人達が困らないようにすることが大切です。業務の質や量にも依りますが、個人的には1か月程度は真剣に引き継ぎをした方が良いと思います。
5. まとめ
- 育児休業は、厚生労働省が定める、育児のために仕事を休むことが出来る労働者の権利。
- 育児休業中は育児休業給付金を受け取れ、社会保険料は免除される。通常時の給与の手取りと比較すると、180日までは約80%、180日以降は約55%。
- 男性育児休業取得のメリットは以下の通り。
1. 子供と一緒に過ごせる
2. 夫婦関係が良好になる
3. 夫婦で子育て環境作り
4. 自視野が広がる - 男性育児休業取得のデメリットは以下の通り。
1. 収入が減る(節約、副収入で補えるレベル)
2. 仕事・キャリアへの不安と影響(実際にあるが、メリットに比べると小さい)
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